映画「記憶探偵と鍵のかかった少女」の考察
どうも管理人 katuです。
今回は、色々と惜しい映画「記憶探偵と鍵のかかった少女」の細かい部分を考察していこうと思います。
ネタバレありでの考察ですので、まだ観ていない方はご遠慮ください。
目次
映画「記憶探偵と鍵のかかった少女」の考察
何が嘘で何が真実なのか
この映画で一番はっきりしないのはここです笑
映画を二回見なおして考えた結果を簡単にまとめてみました
真実
- ・アナが起こした友人の殺人未遂罪
- ・アナに対する教師の性的暴行(アナの罠にはめられて)
- ・アナの父親の不倫
嘘
・アナの友人のマウシーとの記憶すべて
(彼女は実在はしますが、本当の名前はジュリーサンダースという名前で、マウシーというあだ名がつけられていたのは別人です)
・ジョンの上司のセバスチャンが彼女の家に来たという事実
(セバスチャンは確かに小さいころのアナと交流がありますが、それは部屋でのことではありません。アナは嘘の記憶を見せることで、ジョンに同情させ仲間にしました)
はっきりした事
アナのラストの写真の意味
アナはジョンから逃げて、ジョンは捕まります。最初、ジョンが釈放されたのは上司や周りの人間のおかげかと思ったのですが、実はそうではありません。アナが送った写真が原因でおそらく彼は釈放されています。
彼女が送った写真というのは、新聞を持った姿でしたよね。つまり、翌日かそれ以降の新聞をもった写真があるということは、彼は彼女のことを殺害していないとわかる明確な証拠となるのです。
その裏付けとして、彼はアナのこの写真を見ながら「嫌でも真実から目を背けてはならない。時としてあなたを救えるのは真実だけ 真実だけがあなたを自由にできる」と語っています。
オープニングの意味
ラストまで観るとわかるのですが、オープニングで「20秒だ」という声がかかります。ラストでジョンの同僚のピーター・ランドグレンがジョンの記憶に入って、いままでの行動を見てきたということがわかります。
つまり、最初の20秒という掛け声は、ピーターがジョンの記憶に入り込むための掛け声です。
よくわからない設定
アナはなぜ閉じ込められている?
今回の依頼人のグリーン家の両親は、アナを軟禁状態にして家に閉じ込めています。しかし、この原因がはっきりしません。その理由は、彼女には自殺願望があり、それを止めるためだ。
としていますが、実際のところその原因が不明です。アナは特に自殺願望があるようには見えません。むしろ、部屋から抜け出したいがために様々な問題を起こしています。
ジョンの前に現れるアナ
まず前提として、記憶探偵の能力から見直しましょう。
記憶探偵は、相手の同意を得て、相手がイメージした記憶に入り込める超能力の持ち主です。劇中、二回ほどジョンはアナの影のようなものを見つけて、彼女を追うシーンがあります。
最初は、これはアナの記憶で彼女が作った記憶を見せつけられているから、ジョンはアナの影を一瞬観てしまうのか。とか考えたんですが、劇中でのジョンの能力は「他人が想像した記憶に入り込む」という能力です。
つまり、彼がもしアナに記憶を見せられているのであれば、それは「記憶の世界のこと」と認識することが出来るはずです。しかし、それを認識すること無く彼は彼女の姿を追うんです。
現実世界の出来事だったということでしょうか。しかしそれでは、アナは軟禁状態にあるので話の辻褄が合いません。
明らかに記憶の中で認識している二人
ジョンは最初アナに記憶の中で自分を見かけても、認識することは出来ないという説明をします。しかし、アナは確実に彼のことを見つめるシーンが有ります。
ジョンの能力を逆に逆手に取って、主導権を握っていたという意味なんでしょうか。現に、アナは彼を記憶の混乱に落とし込んで自分だけ抜けだして、彼のパソコンにデーターを入れ込みます。
そして、それとは別にラストでピーターがジョンの記憶を観ているのだとわかるところも、ジョンはピーターを見つめています。記憶の中では、記憶探偵は認識できないというこの設定自体が揺らぐ問題です。
まとめ
記憶探偵の能力問題が揺らぎ始めると、もはやどこまでが真実でどこまでが嘘なのかまったくわからなくなります。
特に、今回の映画の大半はジョンがピーターに見せている記憶の証拠です。なので、ジョン自信がそれを操っているのだとすると、観ている側としてはまったく何が真実かわからなくなります。
個人的には、映画「インセプション」のように、実はアナにお前は偽の記憶を植え付けられていたんだ。ってことが明確に明かされたりしたほうが面白いと思いました。
映画の魅せ方、キャラ設定とかは面白かったので残念です。
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